2007/12/04

散歩道きらきら

いつもの道を折り返さず、
ちょっとだけまっすぐ突き進んで左へ曲がった瞬間、
そこに開けた世界は今まで知らない風景だった。

ゆるやかな坂道はカーブを描き、
その先に洋館が二軒続いている。
薄いオレンジ色の歩道が朝日に照り返されて美しい。

いつものごとくスケッチ。
だれかが隣を通り過ぎる。
彼女が遠ざかる。
その姿も描き留める。

さらにその道を突き進んでみる。
ゆっくりと自分も坂に沿ってカーブする。
坂道が曲がりきったところで角をまた左に曲がる。


初めて見る急な勾配に見とれる。
遠く坂のてっぺんに当たる陽のひかりがやわらかい。
この坂を登って帰ろう。

赤ん坊をかかえた若いお母さんが通り過ぎる。
陽のひかりの中で。
彼女が坂を登っていく。
それをペンで追う。


だれもいなくなった坂のてっぺんから、
いま来た道をふりかえる。
はるかさきにアクアラインの白いラインが。
この景色をじっと見たくて、
しばらく立ち止まっていた。

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