2008/01/16

ちっちゃなお家に。

我が家のリフォームの関係で
ちょっとの間小さなお引越しをしている。
もう2週間になる。
家のとなりのおばあちゃんの家。
そこに家族3人がせまいながらも仲良く納まっている。

庭の小鳥の鳴き声が聞こえる朝、
かなり寒い夕暮れ。
小さな家には何気ないところに幸せが詰まっている。

今度のリフォームでキッチンが薄いピンクになる。
ダディが決めた。
アースカラーとでも言うのだろうか、
やさしい色合いらしい。

取り払われた古い流し台を見たときは、
なぜか涙が出た。
新しいシステムキッチンも同じように愛着が湧いてくるまで
ちょっと時間がかかるだろう。

一日の終わりに家の人が寝静まったあと時間をかけて流しを磨く。
クレンザーをかけスチールたわしで丁寧にこすり、水で流す。
他に薬剤は一切使わないけれど、
これだけで彼は輝きを取り戻す。

単純だけど精一杯の愛情表現。
キッチンへ、わたしへ、家族への。

『ご苦労様、ありがとう。』


親子3人でこたつで寝たり、
小さなテーブルでご飯を食べたり。
おばあちゃんの家でなんだかとても懐かしい生活をしている。
家というものはそう大きくなくても好いものなんだな、
としみじみ感じる。
身の丈にあった暮らしの好さとでも言うのだろうか。

兄弟も成長して家を出たあとでは、
広い母屋はちょっと持て余し気味だった。

亡くなった祖母が縁側の陽だまりで
揺り椅子にちょこんと腰掛けていたその場所に立つと
今は冬枯れの庭が見える。

もうすぐ紅梅と白梅の花が咲く。
一枝折って絵にするときは梅の香りが部屋に満ちる。
考えさせることの多い毎日だけれど、
自分は自分のやれることを精一杯しよう、
そう思いながら春を待っている。

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