2008/05/09

通り過ぎる彼女たち。 ~sketch28~



ぼくの目が彼女たちを追う
馴染んだ街で
ぎこちないことばで
叫んでいるのは
きっと
『こっちを向いてよ』

もっとにっこり笑って
さざめくように笑って
ぼくは笑うの好きじゃないから

もっとマシに微笑めたら好いのにね
くだらないで済ます人生はいらない
だからせめてキミたちが笑ってくれたら

思い出の中のフレームがキミをとらえる
キミを撮るとき
いつも涙目になるぼく

足りないものは与えられたもの
ゆらめくものはゆるぎない命の証し

キミの手は人をなぐるために
細く作られたんじゃないから
ぼくの手はなんのためにあるのか
それをいま考えているところ


(2008/05/01 Greeより転載)

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