2007/12/17

白鳥と黒鳥、あるいはパンの争奪戦。

生きものというのは、
ときとして熾烈な闘争本能がある。
一日の糧を得るために、
強いものと弱いものが戦う。

・・・なぜこういうことを考えているかというと、
ダディと公園の貯水池で鴨にエサを投げているから。

ちぎった食パンに群がる鳥のなかで、
白鳥が鴨にエサを奪われてかわいそうなので、
首のリーチが長いのを利用してありつけるよう欄干の下にパンを置く。

彼のそばにいる黒鳥にダディがパンを放り投げたとたん、
おとなしそうな白鳥が黒鳥におどりかかった。
くちばしで攻撃をうけ黒鳥は逃げてゆく。

なんか『白鳥』に対する幻想がこわれてしまった。
バレエや童話、絵画などのあの優美なイメージが。
そうなんだ、白鳥はけっこう凶暴な鳥だったんだ・・・。

かえって『白鳥の湖』で悪役の黒鳥の方が
のん気でおだやかそうな表情をしている。
・・・こんな顔では王子様はとても略奪できない。

パンの争奪戦は大きな貯水池の一角から湖全体へ広がってゆく。
これが人間だったら、と思うとちょっと恐い。


海に消える貧しい国の話を新聞で読んだばかりだ。
温暖化のせいで起こるハリケーンで、
島の土地がまるごとけずられてゆくのだ。
島を出たひとはまだ好い、
残ったひとたちはこの先生きていけるのかしら?

わたしがもし難民になったら?
食料をあらそって戦争が起きたら?
家に海水がおしよせてきたら?

いまある幸せはわずかな人のみのものだとダディは言う。
日本は豊かな国だと。
ダディは仕事で世界中に行ったひとだ。
インドの僻地だってブラジルの山奥にだって行った。

彼はけっこうわりきっているけど、
ときどきちょっと情け無さそうな声で
貧しい国についての感想を言う。

わたしといえば貧しい国はテレビと新聞のなかでしかしらない。


帰りにダディが車を運転しながら虹を見つけた。
虹が消えるまでに願い事をするとかなうという。
(流れ星だったけ??)
めいいっぱい自分と家族の幸せを祈ったあとで、
やっぱり貧しい国のひとが幸せになれるようお願いした。

神様は聞いてくれるだろうか。

3 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

きっと聞いてくれていると思います。
あとは私たちが笑顔でいれば・・・きっとすべてよくなっていくと信じています。

匿名 さんのコメント...

せめて年末にはユニセフへ募金をすることにしました。子供の教育や衛生、飢餓にたいする取り組みを知っているので。
たいして稼ぎはないけど、自由になるお金をこういう形で世界に還元したい、なんにもしてないから。
神様は心のなかに、感謝の気持ちは外に出さなくちゃね!

Chaila さんのコメント...

そうであってほしいと願ってやみません。
笑顔がつくっていく世界が、
きっとわたしたちを支えてくれる、
そう信じてます。